『ルイスと時間泥棒』は、ストーリーの骨格がとても良くて、子ども向けなのに、40代母の私も泣けてしまいました~(泣)
小学校低学年のお子さんや、最近失敗をしてへこんでいるお子さんと見たら伝わるものがあると思いますのでオススメです!
孤児の主人公が。発明品を作るという自分の能力と前向きさで幸せになっていくお話でした。
ディズニー映画は子どもと楽しめますね!商業広告的な感じが少なくて好きです。
孤児のルイスが100回以上養子縁組の面接に落ちても折れず前向きな理由
没頭する対象がある
ルイスは赤ちゃんの時に孤児院の前に捨てられます。そして孤児院で13歳まで育ちますが、夜中までずっと『発明品』を作っています。
夜中に部屋で溶接作業なんかされたら、誰だって困ります!!先生、部屋、変えようよ・・・ そのことでルームメイトの人生を狂わせてしまったことがこの映画のポイントでしたが・・・。
そして、養子縁組の面接では、自分の作品について熱弁をふるいます。 相手の反応などお構いナシです。
ルイスはこの作品を通してずっと『発明品』の作成や修理に没頭しています。これが面接に100回以上落ちても大丈夫な理由だと感じました。
面接に落ちても、周囲の状況に影響されずに 没頭する対象があるからココロが折れないのです。
没頭することに対して時間的・経済的なハードルがない
孤児院での生活は、お金があまり無いのでは?というイメージが個人的にありました。しかし、ルイスは『発明品』作成のために必要と思われる部品を、経済的な苦労なく手に入れているようでした。
そして夜中でも発明に没頭。
時間的、経済的ストレスなし(?)に好きなことに没頭できたら、悲観的なことを考えるヒマなんて無い!
没頭することを止める親がいない
熱心に「早く寝なさい!」と注意する親もいないし・・・自由
あれ?「宿題しなさい」「片付けなさい」「寝なさい」って言ってる私って、子ども(ルイス)のココロの強さの土台作りをジャマしてる????(汗)
子どもが好きなことに 時間的・経済的に没頭できる環境を用意する。
そして極力ジャマをしない。
子どもに、楽しく仕事をすることで健康で長生きしてもらうこと。
これを子育ての第1目標として掲げた場合、子どもが没頭することに対してジャマをしないことこそが親の務めになっていくかもしれません。
過去に縛られず、未来のために動くこと
ルイスは、結局、産みの母親の顔を見ませんでした。未来に、自分が幸せな家族と共に生きていることを知ったからです。
この映画は2007年に公開されていますが、この7年後2014年に大ヒットした『嫌われる勇気』をお読みになりましたか?この本は、心理学者アドラーの考え方を紹介するものでした。
”過去を振り返ってもなにも変わらない。いま、自分が自分の幸せな未来のためにできることをしよう” ”周りの目を気にせずに、自分がいいと思うことに集中する”というメッセージが大ブームになりました。
このアドラー心理学を子どもに楽しく(押し付けがましくなく)伝えるのに、この作品はぴったりでした。
子どもたちは、私より先に見てしまっていたのですが、長女(小4)がハグしてくれて「おかあさん、上手くいかないことがあっても人生何度でもやり直せばいいよ」と言ってくれました。
ルイスのように、『今、ここ、自分』から幸せに向かう行動のみしていけたらいいですね。
ちょっと納得いかなかったところ
お話の骨組みはとてもとても良かったのですが・・・
ルームメイトへのフォローはどうした?
ルイスは発明のお陰ですばらしい養子縁組に恵まれました。そして社会的にも大成功しました。
ですが、孤児院はさびれ、ルームメイトは一人ぼっちの引きこもりになります。
ルイス、大富豪になったんだから、自分を育て、発明の費用を負担してくれた孤児院に恩返ししても良かったのでは?一緒に育ったルームメイトと全く会わないの?
コレも、いろんな意味で後ろを振り返らないルイスの特徴なのかもしれませんね。製作者たちがこのポイントについてどう考えながら作っていたのか聞いてみたいです。
ルームメイトの寝不足は本人のせいじゃない!
最後、悪役になったルームメイトが「ルイスを不幸にしようとするんじゃなくて、過去に戻って、野球の試合中に居眠りをしていた自分を起こせばよかったんだ」と言うような未公開シーンがありましたが、
どう考えても、寝不足は常識の無いルイスのせい。孤児院ではルームメイトの変更もままならなかっただろうし。
野球の試合の後、ルームメイトは引きこもりになってしまったこと自体はルイスに責任は無いでしょうが、
迷惑かけたんだから、謝ろうよ!と思ってしまいました。
なので、製作者が『ルイスが試合中にルームメイトを起こす」というストーリーを選択してくれて本当に良かったです(笑)
戦闘シーンが幼かった~
せっかく骨太のメッセージ『過去のこだわりを捨て、未来に生きる』があるのに、戦闘シーンが幼児向けすぎました~
ほんとうに残念。最後まで見れない人もいるかもしれない・・・
もう少し対象年齢をあげて作ってほしかったです。
あの戦闘シーンにワクワクする年齢では、 『過去のこだわりを捨て、未来に生きる』 というような抽象的なメッセージは理解できないし、
刺さりそうな年代(10代前から大人)は飽きて途中で観るのをやめてしまいます。私、途中がまんして最後までみて良かったです!!