子どもを妊娠した時から、「お母さん」になって、全力で子どもを守り、育てて応援してきました。自分を後回しにすることがはじめは苦痛でしたが、それにも慣れてもう10年以上たちました。
その努力の報酬は「ママだいすき!!」と言ってそばに来てくれる、「かわいさ」ではなかったですか?
でも、子どもはいつの間にか私たちの手から飛び立っていきます。より精神的に結びついたパートナーもできます。いままで全力で愛してきたのですから、寂しい気持ちになるのは母親として当然。と私は思います。
自分が置いていかれるようで寂しくて、こどもの翼を縛って、「飛びなさい」と言っていませんか?まずは自分の根本の寂しさを癒しましょう。
自分も毒親になる可能性を認める
自分は子供にとって「毒親」になるはずがない!
誰もがそう思っています。私だってそうです。でも、実際そうでしょうか?
自分の手のひらで育てていたはずのこどもは、自分が想像しているより先に成長しています。
精神年齢が親よりも高く生まれている子どももいます。親は、「自分は子供より一段高い場所から子どもを守る親である」という考えから一歩も動かずに一生を終えていく方もいます。
ここで周りを見てください。周囲の人間たちの精神的成熟度は年齢と必ずしも同じスピードで進んではいませんよね。
子どもなのに丁寧に気配りができる人
大人なのに自己中心的に周囲を攻撃する人
いろいろな精神段階の人がいます。だから、「年齢」という先入観は外しましょう。
そして、自分だけは毒親にならない、なっていないという先入観を外してみましょう。子どもにとってどんな親が毒親なのでしょうか。
私は、自立できていない親と考えます。
まず、親が自分を癒して自立する
子どもが生まれるから親になるのではありません。
親になっていくのです。
親という経験は誰もがみな初体験です。どんなタイプの親になるのか、なってみないと分かりません。
自分は子供にとってどんな親になっているのか、客観的に観察してみましょう
勇気をだして、周囲に聞いてみましょう。子ども本人にも聞いてみましょう。
私は、先輩に「あー、○○家(←うち)の子どもにならなくて良かった。だっていつもビクビクしそう」と言われたことがあります。
そのときは「なんですかそれー!」と笑って返しましたが、時間がたっても引っかかるので、自分の状態を観察してみました。
仕事がいっぱいいっぱいすぎて、やさしさエネルギーを職場で使いきり、家に帰ったとたんに怒鳴ってました。「こんなに疲れてるのに、家でまで気を使えるか」と。ワーキングマザーをやってる方なら一度は経験があるのではないでしょうか。
家庭内で子どもにとって、親はほとんどの場合職場の上司以上に絶対です。
自分を振り返って こんな(家庭内)上司 いたら自分はどう感じるか
イメージしてください
私はがくぜんとしました。・・・やだわ・・・。
社会でストレスを受けて家に帰って
もうエネルギーないから 家でやさしさエネルギーつかわない 。
営業でてストレスを受けて会社に戻って
もうエネルギーないから 会社でやさしさエネルギーつかわない
同じことでした。
家族に対して、最低限のやさしさエネルギー(思いやり)を使うことを怠っていたのです。
職場でやさしさエネルギーを使いきってしまうなら、働き方を変える必要があります。
使い切っていると感じたら、自分を変えるお知らせが来ていると思ってください。
親が自分自身のことについて考え、自分自身のココロのわだかまり、弱さをケアしないと、同じような悪い行動パターンを子どもに見つけてしまい、必要以上に、子どもに「直せ」と詰め寄ってしまいます。
痛いけれど、ほんとうに「直す」必要が有るのは、子どもより先に自分です。
そして、いつまでも自分の存在価値を「親」という座に頼るのを手放しましょう。
親ではなかった頃。子どものころの自分に戻ってみれば、「自分の子供がいなくても立っていられた自分がいた」ことを思い出します。
子どもと友達になる
インドの子育て格言に
3歳までは神様のように、
3歳から16歳までは召使のように、
16歳からは友達のように育てなさい
というものがあります。
日本でも3歳まではカミサマの子。16歳前後で元服(成人)という考えがありました。
人間という種が子育てをしていく中で、共通の感覚なのでしょう。
3歳が節目。私もワーキングマザーとして3歳神話に苦しんだことがあります。「なぜ子どもが3歳になるまでに仕事をしていると白い目でみられるのか。私のキャリアはどうなるのか!」と。
落着いて考えると、動物界では一定の成長を遂げるまで親が子についているのは
当たり前のことです。実の親がムリでも、ライオンなどは子どもを雌の親族が一団となって育てます。
「育児期間中」にも「キャリア」を求めるのは、人間だけかもしれません。
人間だけということは、自然界には無い特別なシステムを特に発達した頭を使って人間が作るしかないのです。3歳までの子どもがいる母親が、苦しまずに仕事と育児ができるように社会を整備していかなければ、種の保存もむずかしくなると思います。
母親が物理的・精神的に安心できる巣を整える時間がないなら、巣を整える社会制度が必要です!昔は大家族で祖母や子守が3歳までの子どもをみて、母親は畑や店の仕事をしていました。核家族化したために、子供と仕事の責任が一気に母親だけにのしかかってしまったのです。
政治の方針を決める場にいるのは圧倒的に男性か、子育てで苦しんでいない女性なのでセイビされるのは難しいでしょう。
自分で整備するしかないのです。母は考えましょう。考えて泳いでいくしかないのです。このまま半分溺れながら泳いで、環境整備を後回しにしたら、必ずかえってきます。
自分なりの環境整備をして、次世代に、その方法を伝えましょう。自分と同じような苦しみを次世代に残さないために。次世代のワーキングマザーに次のステップに行ってもらうために。
3歳から16歳までは、召使として働かせることによって、他人に奉仕すること、技術を身につけます。どんな家事もやらせてみましょう。お手伝いとしてではなく、仕事として。
16歳になれば、今までの仕事の経験の積み上げができ、母親の同僚になれます。どうかだまされたと思って、同僚や、友達に話すように自分の弱さを見せて下さい。自分が子供だったら、自分の母親が影でボロボロになっているのに、自分が助けられなかったら悲しくないですか?
人のココロのつながりは、一緒に作業をして、弱みを見せ合い助け合ううことで、太くなります。
子どもは子供。生意気なことを言わせない!と思わずに、本音で話して下さい。親は、不必要な肩の力が取れ、子は、信頼された自信が付きます。
もし自己啓発本などを読んで、「子どもには本音を見せずに背中を見せる。」とあって、それを実行して苦しんでいるなら、著者が女性かどうか確認してください。
男性が幸せになる方法と、女性が幸せになる方法は違います。
まずは自分の中の自分との関係をケアして、次に子どもとの関係を良好にすれば、自分の親との関係にも改善が見られます。
毒親になってしまう負の連鎖は次世代に受け継がれるので
どうか、自分の世代で断ち切り、
自分の前後に新しい、前向きな親子関係を結びましょう