妊娠・出産・授乳・・・4回やった末にたどり着いた私の結論。赤ちゃんの今後の授乳生活リスクを減らし、 母親の体が楽になるためには、私にとっては手動搾乳器が、産後も職場復帰後の育児にも必須でした。うまく行かないと感じてるのは、あなただけじゃないです!あなたはきっとがんばってます!
「ちょうどいい」には個人差がすごくあります。選択肢の1つとして検討してみてください。お金は、たぶん一番くらいかからないので(笑)あとは赤ちゃんの飲みっぷりと体調をみて調整して行ってください。
いつから産休に入るのか。引継ぎはできそうか?つわりがきつい。体調が自分のコントロールと想像をはるかに超えた動きをする。つわりのなかった女性上司からのプレッシャー。仕事に穴をあける情けなさ。仕事を思いやりで軽くしてもらった状態に傷ついたり・・・そんな自分の状況とはほぼ関係なく、出産予定日は近づきます。さあ、女の修行の始まりです(笑)
赤ちゃんを授かって、本当に感謝してるけど・・・そんな修行まで聞いてない!!って思っているところかも知れません。お母さんがラクで赤ちゃんも楽なオリジナルルートを探しましょう!
母乳?ミルク?混合?私の体験
完全母乳について
私は、1人目の出産を里帰り出産しました。仕事がフルタイムなので病院選びは「家に近くて高すぎないところ」できめました。
当時、出産難民という言葉ができたくらいのころで、かなり前から予約して実際に病院に行かないと里帰りの産院を確保できませんでした。
「産める病院確保できれば恩の字。」・・・当時の私に言いたい。あまい!
里帰りでかえった当日、お隣の若夫婦さんにご挨拶に行きました、そして、「あー・・・あそこね。ずいぶん頑張るんだね~・・・」と言われ、驚いて良く聞いてみると 、そこ、近所では有名な「おっぱいスパルタ産院」だったんです。
ご近所の奥さんたちの間ではかなり有名だったようですが、つわり・切迫早産・地方での婦人科通いプラス仕事。の私には入手できない重要な情報でした。
1人目を4人部屋・母子完全同室(授乳室は、自室から離れた別室。カートに赤ちゃんを載せて移動)おっぱい修行に明け暮れた私は、
2人目を個室、母子同室・別室選択可能な病院で産み、
3・4人目は個室・母子完全別室で産みました。(3・4人目は里帰りしなかったので病院が少なく選べなかった)
ベストは個室で、母子の同室別室を随時えらべるところ。体調がよければ母親の部屋においておけて、寝たい時はお任せできるところ!!!
ここでお伝えしたいのは、「選んだ病院で余裕のあるお産ができるとは限らない」ということ。
その余裕のない状況に対処するには、「いかに自分が楽に育児をスタートできるよう準備するか」にかかっていると思います。
でも、母親が自分の体調でその都度同室と別室を選べないなんて!出産する側からしたらよくわかりませんよね。
私は基本的には野生の動物と同じように母乳で育てるのが良いと思っています。
人工乳では出せない毎日の味の違い、育成段階にあわせた栄養成分の変化、母乳をつかんでマッサージして吸うという動き、母体のオキシトシン分泌による体の再構築、愛着形成。とても大切です。
ただ、母乳育児に集中するあまり、母親が追い詰められたり、赤ちゃんが母乳とおっぱい以外のものを受け付けない状態になるリスクに目を向けないのは問題だと思っています。
出産リストの記事にも書きましたが、災害時や母親が投薬を受けるときは、おっぱいをあげられないことがあります。どうしますか?母乳と本物の乳首以外のものも受け付けるようにそだてないと子どもは守れません。と私は思っています。
授乳中のお母さんはナイーブ! 自分に優しくしよう
赤ちゃんをだっこして外をあるいていると、質問されるの多くは3つ
①かわいいわね
②なんかげつ
③ぼにゅう?
・・・母乳育児でないといけないのか?聞いている本人はそこまで考えていないことが多いですが。
特に高齢になればなるほど「母乳?」と確認してきます。
母乳を1人でがんばってがんばって、悩んだ末にミルクのみにしたお母さんがどれだけ傷つくか。母乳の出の個体差なんて、動物界ではあたりまえすぎるのに。
高齢からすこし下がった年代は、自分たちが出産した頃に、高性能なミルクが出始めた頃で、逆に、「ミルクにしないの?」と聞いてきます。
私の母乳じゃ栄養たりないってこと?!と傷つく人もいます。
ミルクなら、姑さんもあげられるので、それを期待して「ミルクは?」といわれることもあるようです。
いままで話題に上らなかった、自分のおっぱいの出の状態、乳首の形。赤ちゃんの登場とともに、びっくりするくらいどんどん普通の話題として出てきます。
まさか姑さんに、「あなたの乳首こんなかたちなの」といわれるなんて想像だにできませんよね。(友人実話)
自分の体のことにあけすけに評価が下される?機会がたくさん出てきます。びっくりしますよね。
私は、一人目、母乳至上の産院で、徹夜で母乳をあげていました。
乳首は同じところがすぐ切れて、きれた場所をあかちゃんの口で挟まれて、痛みで冷や汗をかいて鳥肌が立っていました。
吸い始めてくれないし、
途中でねるし、(私がしんどすぎて、赤ちゃんが寝たら足の裏をくすぐって起こしていました)
支えている手はしびれるし(腱鞘炎になりかけたので、手で支えないよう、汚れていいクッションを多用)
すわれたら、乳首がいたすぎるし(ココロのなかで1・2・・・・80までかぞえないと耐えられませんでした。80まで数えたら、乳首が麻痺して痛くなくなるからです。)
あまり出ない、乳首が切れている苦手な方のおっぱいから授乳するように教えてもらいました。もう、乳首がきれているので、やりたくない。でも、苦手な方からやらないと出るようにならない。やさしい看護婦さんに励まされながら、毎回気合を入れてやりました。やるしか、ない。
まわりも徹夜でゾンビ状態のお母さんばかり。あたまがボーっとしていて、向かい側のお母さん、にゅうりん大きいな・・・とおもってたら左右のおっぱいをのんでいる双子の頭でした(笑)
徹夜で数日たって、やっとおっぱい外来を受診。「あー、しんどかったね~」と暖めたタオルで圧迫マッサージしてもらいました。おっぱいはもうガチガチのグレープフルーツ(サイズ分かりますね笑)状態。
マッサージしてもらったら、ピューっと壁に母乳がとびました。
ただただ涙が出ました。
今振り返ると、もう少し費用がかかっていいから、母乳マッサージを頻繁にやってもらえる病院をさがせばよかった。
(そもそもこのおっぱい地獄の存在をしらないのでなすすべもないが)
こんなに産後の女を追い詰めてはいけない!
国費で、おっぱいマッサージ師をすべての産院に常駐させて欲しい。
出産の激痛に耐えた後、これもやるのかと一人目で分かってしまったら、ハードル高すぎる。
退院後も、孤独な真夜中のおっぱい格闘は続きました。病院では「母乳以外を哺乳ビンで与えると、すいやすい哺乳ビンでしか飲まなくなるから、搾乳した母乳もベビーカップでのませて」と言われていました。
↑2~4人目まで、新生児期はとても助かったベビーカップ 550円
80までかぞえて痛みに耐え、赤ちゃんが満足して寝たら、こんどは手で搾乳。カップにためていきました。でも、ものすごくがんばっても、数滴。
水分が蒸発して使い物になりません。
ただ、牛の世界では初乳はとてもとても大切な免疫成分が含まれているので、一滴でも多く赤ちゃんに摂取させたいという気持ちは強い。
(最初のおっぱいはすごく濃いですよね。栄養成分が多く、黄色が強いクリーム色くらい。だんだん水分が多く白透明になっていきます。)
切れた乳首に、赤ちゃんが口にしても大丈夫という馬油を塗って、乾燥して乳首が切れないようにラップを載せました。授乳ブラもすると痛すぎるのでできません。
↑馬油は赤ちゃんの口に入っても大丈夫ということで、授乳後の切れた乳首にぬってました。ラップで保護していたけど、汗ばんだのでラップはやめました。
↑ラップをやめたら、乳首は授乳ブラで擦れます。最初はとても痛いので、こういうカバーもあります。乳首と乳りんのサイズが合えば痛みが和らぎます
赤ちゃんは下あごの方が吸うチカラが強いので、おっぱいおっぱいが詰まってしまっているところから出るように、赤ちゃんを寝かせたり、私が動いたりして色んな角度から飲ませました。
(赤ちゃんを小脇にはさむラグビーボール抱き授乳が、支えるのも楽だし私には一番合ってました)
母になんどもなんどもおっぱい外来でやってもらったマッサージをしてもらいました。自分の手では角度が悪くてできないのです。マッサージ中にでる母乳もすくってもらいました。
母には、「もうムリしないでミルクあげたら?」「たりてないから泣いてるんじゃない?」「あなたが倒れちゃうわよ」
と再々言われました。私は、「赤ちゃんのためにこんなに完全母乳しようと頑張ってるのに、なんでそんなこと言うの!!」「おかあさんの時代とは違うんだから言わないで!!」と何度も言い合いになりました。
二人目からは上手に手を抜けるようになったので、母の言っていたこと、気持ちが良く分かりました。自分の頑張りがたりないからおっぱいがうまく行かないんじゃないかと、自分に自信がない部分にコメントをされて、過剰に反応していました。
おっぱいの行き詰りと搾乳器
私の友人も未婚か出産していない子ばっかり。みんな私の追い詰まりっぷりにびっくりしながら、ホールケーキもってきてくれちゃったりしてました。(笑)誰も、おっぱい詰まることがあるなんて、まったく知らないから、私もよろこんで食べてました。
おっぱい修行にいきづまった私は義理の姉(同時ころに初産)に助けを求めました。彼女の職場は女性がたくさん働いていたので、情報がいっぱい。
姉は、計画無痛分娩、もちろん個室。母親が楽に出産できる病院で産んでいました。私の4人部屋、完全母乳とはずいぶん違う産後を過ごしているように感じました。
姉に、おっぱい体操や、おっぱいを出やすくする食べ物のリストなどをもらいました。そこに、搾乳器のことが書いてあったのです。
”手動の搾乳器を、赤ちゃんが飲んでいない時につかっておっぱいに刺激を与える。そうするとおっぱいが出やすくなって赤ちゃんも飲めるようになる。ただ、過剰に搾乳することになるので、個人の責任ですること。”
という内容でした。そうか・・・。なぜ思いつかなかったのか。
搾乳牛の初乳は子牛が直接飲まずに、人がしぼってた。
発生段階が未熟な状態で生まれてくる人間の赤ちゃんに、知識や道具などのサポートなしで、飲め!飲め!ってやっても、うまくいかないよ。
動物の医療の知識が、どうしても自分の体と結びつかないことにわたしはいらだっていました。きっと、産婆さんが自宅に来て自宅出産するような時代なら常識として伝えられてきた技術や知識が分断されているのです。
(ちなみに私の曾祖母は助産婦でした。知識を伝達されていないことが惜しい・・・)
そして翌日すぐに西松屋で買ってきてもらいました。私の場合は救世主でした。おっぱいが詰まって硬くなっているところを抑えながら搾乳していくと詰まりがとれ、熱感が引いていきました。
搾乳した母乳は、哺乳ビンには入れず、ベビーカップですこしづつ赤ちゃんの口に入れました。・・・だれかこの方法教えてよ!!早く!!
ベビーカップの使い方についてはこの記事を読んでください。
これから出産する人、授乳に悩んでいる人に私が伝えていること
この時の経験から、私はおっぱいで悩む人、これから出産する人にいつも伝えるようにしています。
どれか一つでもあなたのお役にたてますように。
・乳首のマッサージは、妊娠中、できる期間になったら真剣に強くやって鍛えておくこと。
:お笑いで「乳首に洗濯バサミはさむ」とかやってるけど、アレ以上強いし、回数はんぱないから。そりゃ、何百回もかじられるんだから歯がなくても切れるわ。
・ふだんから白湯をよく飲むようにすること。
:体調が整えられる。また、おっぱいを出すと言うことは、体内の水分を出すということです。白湯を飲むことで、おっぱいの質もさらさらで詰まりにくくなるし、母体の脱水も防げます。
・ 栄養価が高そうなもの (生クリーム・おもち・チョコレート)など を食べる時には十分注意する。
:おっぱいが詰まって発熱して救急車で運ばれる人もいます。
私はどっちも大丈夫でしたが、友人はおもちのカケラでアウト。
おっぱいが出る管が細いと詰まります。じぶんのおっぱいの管が細いかどうかなんて考えたこともないでしょうから、慎重にたべること。発熱・痛みで大変なこ
とになります。
詰まらせておくと細菌感染することもあります。つまりそうになったら搾乳器で搾乳しましょう。
細菌感染でおこった乳腺炎の場合、抗生剤投与が必要なこともあるので、病院にいきましょう。
・搾乳器でおっぱい生活をサポートする
:職場復帰後の搾乳にも必須!!!
自動搾乳器も2種類ためしました。手が楽だけど、おっぱいの中にある乳量でチカラを調節できないから却下。
もう、予防的に自分のために常備しておいて欲しい。夜中におっぱいが出なかったり、張ったりして苦しむのは母である自分だけですから。
・ちくびが切れたら馬油ぬってラップして乾燥させない
乾燥するとますます次回の授乳が痛いです。アルコールなどの綿花で拭きすぎない。角質がはがれてさらに痛みます。
・じぶんの乳首が短い・陥没してる・形が赤ちゃんが吸うのに適していないのはほんとに良く有ること!
乳首を保護しておっぱいから吸えるシリコンの乳首(自分のおっぱいの乳首にかぶせて傷をガード・長さを補う)物もあるから、へこまないで試してみて欲しい。私の友人はコレで完全母乳をやってました。できます!
乳首が切れやすい人もこれでしばらく乳首を休ませよう。(私、一人目のときにしりたかった泣)
↑乳頭、赤ちゃんが吸いにくい形だったり、授乳して乳首が切れたりしたら、コレをかぶせて授乳できます!!
・出なくて完全ミルクにする時に、だめもとで、一度、搾乳器をためしてみて欲しい。
母乳は母乳で楽なこともあります。どっちもいけるようになったら一番楽。
(ディズニーランドで、エルゴ抱っこして歩き回りながらの授乳経験あり。後で家族に言ったら気が付かなかったとびっくりしてた・・・ひいてた?3人目だし、よし。笑)
↑いろいろためして抱っこ紐はエルゴのみに!!!
出産祝いは、小さなお菓子とか、タオル系はいらない。コレをもらいましょう。
出産は、情報やサポートがあるかないかで、幸せの一ページと感じるか、女の徴兵制?!と感じるか(笑)、大きな差があると思います。
幸せを感じるはずなのに!と、人知れず泣いているあなたはおかしくありません。本当に人生の大仕事なのですから。よくがんばってる。よくやってる。
他の記事にも書きましたが、私の一番いいと考えている授乳は、基本母乳で夜の一番最後に父親がミルクをあげて母親が眠れるようにする。というやり方です。
父親も、ミルクという手段で授乳することで、授乳が他人事から自分事にかわります。赤ちゃんの飲みっぷりやゲップ、飲んだ直後のどろどろのオムツと触れ合っていくなかで、地に足のついたお父さんになっていくはずです。
ミルクも受け付けることで、親族にも授乳の機会がうまれて絆が深まります。自分の赤ちゃんの育児を他者にも開きましょう。赤ちゃん本人のためでもあります。他人に世話をされることを拒むより、ニコニコ受け入れる方が、赤ちゃんの今後の生存率が高まると思いませんか?
なんにせよ、がんばってがんばってやっている母であるあなたが、納得できる授乳方法ならその選択が正しい。お母さんが無理な生活をしているのを改善してから、赤ちゃんが幸せになるんです。
お母さんが倒れたら赤ちゃんの生存もおびやかされます。自分に優しくしてねぎらってください。